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概要

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第3回最優秀賞「世界の軍縮と安全保障に関して国連大学はどのような研究を行うべきか」井上昭正要約国連大学は、世界平和の維持・達成と人類の福祉向上にとって何が促進要因であり、阻害要因であるのかを的確に把握し、促進要因についてはそれを統合して有効な戦略をたて、目標達成のための能率的システムを構築するよう実践的研究を行い、同時に阻害要因については、それを排除し抑制する対策と措置について実践的研究を行うべきである。このような観点から、また現在の国際情勢と将来のそれの予測から判断して、私は次の三つの問題が、研究対象の最優先テーマであると考える。第一は、「開発途上地域における経済先進国の市場開発および資源獲得の実態と動向」についての研究である。世界史的にみて、先進国による海外の資源獲得と市場開発は、戦争と平和に大きな関係をもっている。国際社会の難問の一つは、人類の無限の欲望を満すべき財が有限であるということである。そのために資源と市場が、植民地政策や軍事力による侵略によって争奪されてきた。先進国の開発途上国-の進出と経済的支配は軍拡を伴って行われてきた。これから世界平和を達成していくためには、いかなる国の資源獲得も市場開発も平和のうちに行われるべきであり、そのためには、経済国家主義から経済国際主義-の移行が必要である。国連大学は、平和的手段による海外資源獲得・配分と市場開発・創造の戦略の立案と実施のための実践的研究を行うべきである。第二は、「軍縮を促進するための新しい国際協力戦略」についての研究である。国際協力は、軍拡にとって代るべき世界平和達成のためのもっとも有効な武器である。軍拡は、193