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概要

satoh

すなわち、「国際社会は、多国籍企業のなしうる貢献を認めながらも、多国籍企業がその営業している諸国、ことに受入途上国の開発目標に従って行動することを確保するような仕方で、多国籍企業の活動に影響を与え、かつ(または)それを規制することを望んでい12)ると思われる」という国連の見解がそれに近いであろう.また、国連ではこれに基づき、政治的問題、所有権、国際収支、金融、トランスファー・プライシング、租税、競争、技術移転等について行動綱領(コード)の作成に取り組んでいる。本稿もこれに賛意を示すものである。また、基本的には次の見解に立っている。第一に、多国籍企業問題の顕在化は各層における統合化の一つの現われであり、必然的なものである。第二に、大多数の多国籍企業は良心的であり、資本移転および技術移転の手段としては有効である。第三に、多国籍企業の機能をさらに有意義に用いるためにも何らかの規制が必要であり、場合によってはコード以上に強い立法措置も検討されるべきである。第三の項目においては前述の通貨と同様に意思の問題がクローズアップされてくる。世界を統治する方法に近道はない.-歩一歩休制を築きあげていく意思の確認こそ根本であり、その実践をかねて国連大学は多国籍企業管理の研究を進めるべきである。第2軒経済学の再生前章第2節において示された経済学の危機に関する考察にあたって、まず、それを生み出した原因と思われる、世界の危機に関する認識からはじめたい.ロuヤ.クラブによると現在の危機を形作っている問題複合体とは次のようなものである。すなわち、「人類の無制御的増殖、社会の分裂分断、社会的不公正、飢餓と栄養不良、広範な貧困、失業、成長-の偏執、インフレーション、エネルギー危機、現実的ないしは潜在的資源不足、国際貿易、通貨上の困難、文盲と時代錯誤的教育、若者の反抗、疎外、-・=・核の愚行、 ・-・環境の悪化、---不安定感-そしてこれら諸問題とその相互的結びつきに対する理解の欠13)如等」ということである。これらの中には分類の困難なものもあるが、大きく分けて緊急の決断と行動を要するものと、やや長期的に考察、検討すべきものがある。すなわち、人口土酎口、飢餓、貧困等は前者に属し、疎外、不安定感等は後者に属する。経済学の再生に178江12)国連報告(本浪他訳)『多国籍企業と行動綱領』ミネルヴァ書房、昭52注13)7ウレリオ.ぺッチェイ『人類の使命』、P.84