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概要

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「世界共同体-の道」-国連大学の研究課題-高橋靖第1章世界経済の現状第1節経済の連関化A国際通貨体制の変遷世界経済の要素の一つとして通貨の問題を避けて通ることはできない。通貨の変遷はそのまま世界経済の変遷を表わしているOかつての金を価値尺度とする金本位制からいわゆる「金、ドル本位制」とも称されるブレトン・ウッズ体制-の変更は、世界経済の拡大に伴う通貨量を創出するための管理通貨体制-の流れにそったものであり、その時点では妥当なものであった。しかし、周知のように同体制は- El通貨を世界的流動性に用いるため流動性の創出が潜在的な通貨不安を生み出すという、根本的な矛盾を含んでいた。すなわち、ある意味で脆弱な基盤の上に立っており、後年アメリカの経済力の相対的低下とともに通貨危機が顕在化したのは当然ともいえる。その結果として実施された固定相場制から変動相場制-の移行は、インフレーションをはじめとして現在に至るまで各国に悪影響を与えている。無論、危機回避のための次善の策としての変動相場制の効果を否定するものではないが、変動相場制はあくまで緊急避難的な措置であることを改めて強調しておきたい。将来-の手がかりは、やはりSDR(lMF特別引出し権)に代表される世界通貨の創出である。しかし、SDRの新規創出は1973年以来行なわれていないばかりか、政府と民間が保有しているドルをSDRまたはSDR建ての流動資産-と交換することを可能にするいわゆる「代替勘定」構想をはじめとして、SDRの役割増大のための施策の実施は遅々としている。またアメリカ、フランスを中心とする金-の根強い噂好は、世界通貨体170