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概要

satoh

加え、合理的な技術移転にそれを参入させるための提案を行なうことである。そして商業ベースで行なわれる技術移転の世界経済モデルを設定し、一方の援助などによる非商業ベースの技術移転モデルを加えて、技術移転のトータルモデルを打ち出す。それができれば、技術移転の将来予測や経済効果の算定がより確実に行なわれるようになると期待される。5技術移転の制度的基盤としての工業所有権制度の役割を検討せよ市場機構を通じた商業ベースの技術移転は、技術の流れの本流である。この流れを円滑にするために、工業所有権制度のはたす役割を忘れてはならない。特許、商標や意匠が守られていることが、購買者に対して商品の品質や出所を保証し、またその売り手が不正な競争に身をさらすことなく、安心した経済行為を展開するのを許すものとなるからだ。さらに特許発明などの技術を公開する文献や資料が、一国の技術水準を高めるのにはたす役割も大きい。先進市場経済国や、リグィユト連邦をはじめとする多くの社会主義国も工業所有権制度の技術転移にはたす役割を重くみて、それの整備に努めてきているが、開発途上にある多くの国では、未だその整備はゆきとどかず,場合によっては、制度そのものに対して懐疑的ですらある。途上国が特許制度を設けたところ、その特許は先進国企業が独占するところとなり、しかもその国外で生産された産品を単に輸入するのを保護しているにすぎないような場合も事実ある。このため工業所有権に関する国際的な取り決めであるパリ条約を途上国側に有利なように改正しようという動きがあり、国連の専門機関であるWIPO(世界知的所有権機関)が、その間題を扱ってきている。しかしここでも南北間の対立は激しく、改正提案が採択される見通しはたっていない.国連はすでに特許制度をはじめとする工業所有権制度と技術移転に関して多くの報告書を世に出しているが、それ等をふまえた上で、私は国連大学がこの分野でなすべきことがあるように思うOそれは工業所有権15占