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概要

satoh

いて既存のデータの収集・仕分けを行なう。当然統計には入らない潜在的な影響は大きいが、現時点では、グローバルな研究ネットワークの展開により実証的数量分析を優先させることが必要である。ロ.産業構造調整策と社会構造の変化・適応策を組み合わせた問題志向型プログラムの作成。各種データの収集、仕分けによる事実認識の後、保護貿易主義をもたらす各種要因の発生原因、対策が必要となる。各国の産業構造調整政策と政治、経済、社会、文化の分野での各要因-の対策は複合領域的研究を最も必要とする分野であるが、このプログラムでは、各関係国の制御能力を超える各要因を抽出し、分析することが必要である。単一の地域的要因、一過性の要因で終わるものが、多国家間にまたがり、長期的に危機要因として存在するものなのかの仕分けが必要である。それを踏まえて、各研究ネットワークの作業内容と調整を決定し、対話の場を創造していく。その場合、前述のィ.のプログラムの段階で検討されたデータを基にして相互作用による新しいアプローチを引き出していくことが出来る。ノ、.保護貿易主義に対するより広範な認識と情報に通じた国際世論の形成を創造する.多くの国際間題、特に貿易問題-の討議によって決定された合意事項の実施、又はその監視にとって必要なことは相互主義の受入れを守る精神と環境であり、それを支えるのは、共通の認識と情報を持つ国際世論の形成である。その意味で国連大学の持てる研究ネットワーク間の対話・広報活動は大きくこの分野に貢献出来る。以上のように国連大学の複合領域的研究によって保護貿易主義の悪影響が総体的・実証的に分析され、グローバルな認識として定着するならば、今後も予想される多くの圧力要因に対して短絡的な対応をすることはなくなるであろう。今後の世界経済が円滑に機能していくかどうかはこの共通の認識に立った保護貿易主義回避-の適応力と動態的国際分業体制への前向きな姿勢を各国が身につけることが大きな鍵となるであろう。144