ブックタイトルsatoh

ページ
141/1034

このページは satoh の電子ブックに掲載されている141ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

satoh

第2回佳作八によって衰退した国内の特定産業、及びその労働者を守ることにあるとされる。しかし多くの面で、先進諸国自身にとっても、不利益な政策決定であるか指摘できる。(先進諸国に於ける代償)ィ.保護貿易措置を要望する自国の産業は他の国の同種産業に比べて生産性を低下させていることに多くの原因があり、その産業の経済活動のための資源固定化は非効率産業の温存につながり、より付加価値の高い高度技術産業-の移行を妨げることになる。このことは動態的国際分業体制-の国際協調を阻害する要因となっている。ロ.保護貿易措置による特定産業の労働者保護は必ずしも結びつかず、応々にして政府からの補助金が、労働節約型の新規設備に使用され、オートメ化の推進で逆に雇用の圧迫を招いている場合が多い.-.保護貿易措置は各種の報復措置を招きやすく先進国白身の輸出産業にも打撃を与えることになる。そのため外貨収入機会の減少、輸出産業-の投資意欲をそこなうことになる。二.低価格輸入品か又は、国内産業産品との競争によって生ずる価格安定効果を奪い、国内消費者の商品選択の自由を損なう。先進諸国での安価な輸入産品の購買層は、低所得者層であり、開発途上国からの安価な産品は、インフレの影響を緩和している面で効果が大きい。ホ.先進諸国自身がファイナンスしている開発途上国での累積債務の増大は、彼ら白身の債権保全に影響を及ぼし、国際間の投融資状況を悪化させる。次に、先進国の産業構造調整問題との絡みでその悪影響を列記すれば、以下の点が指摘される。ィ.保護貿易措置によってもたらされる調整期間の猶予が特定衰退産業の根本的対策に使われず、非効率部門の温存がされるならば、他の産業分野からの要求も正当化さ139