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概要

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Ⅱ.先進国の保護貿易主義による損失分析の必要性世界貿易の必要性は、各資源の適正配分を行ない、生産を拡大し、投資をより生産的なものにすることにある。これにより各国の経済成長と開放的自由貿易体制は密接なつながりをもち、お互いの加速化に貢献することになる。その意味で、現在の先進諸国の低い経済成長率と高い失業水準が圧力となってもたらしている保護貿易主義は開発途上国にとって、絶えず自国の経済運営計画の見直しを要求され国内開発目標を不透明なものにしている。先進諸国による保護貿易主義の現象面の損失は下記の諸点が挙げられるが現時点では多くのケースが表面上の指摘に終わり、個々の数量分析と検証を基にした総体的分析まで進んでいないのが実情である。(開発途上国に於ける損失)ィ,外貨収入獲得機会の減少により、国際収支を悪化させる。特に非産油開発途上国に於いては影響が大きい。又先進諸国からの借入累積債務の増加をもたらす。ロ.自国の中心産業で多くの場合労働集約型の輸出産業に対する打撃の結果、経済成長率の低下、失業率の増大、生産性の低下をもたらす。-.輸出機会を失った輸出産業は長期的投資による拡大傾向を損なわれるため販路を国内市場のシュア-アップに転じ、結果的に国内消費者は高価格製品を購入せざるを得なくなる。こ.安定的ルールに則った自由貿易体制下では、国内開発計画の目標設定が容易であるが、保護貿易主義の不安定要因が出てくることにより、資源の最適配分を促進する国内投資や、それを支える生産、貿易面での積極的政策が打ち出せなくなり、開発計画の見直しとスケジュールの遅延をもたらす。一方、先進諸国が保護貿易主義を採用する大義名分は、開発途上国からの安価な産品輸138