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概要

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OECD (経済協力開発機構)が指摘している先進諸国の実施する最近の保護貿易措置の特徴として次の点が挙げられる。木貿易障壁の認冠は経常取引の総体的な不均衡を是正しようとする試みの性格をどんどん失い、特定産業における長期的、構造的困難に対する対策としての性格をますます強めている。鉄鋼、造船、自動車に於いては、OECD地域内での貿易の流れの変化の影響が強い.繊維、衣服、靴、家庭用電気器具、テレビ受像機においては2)中進工業国及び開発途上国の輸出の成長が要因である。ロ,先進諸国の新保護貿易主義は割当や関税を一方的に課するという伝統的なやり方をとることが少なく、他のやり方の掩うを好む。たとえば二国間また酎也国間で交渉された貿易制限とか、ある種の生産物に対する特別の行政的規制のような非関税障3)壁の設定とかがその例である。- .貿易そのものに多かれ少なかれ直接に関係している手段のほかに政府の介入にはおそろしくたくさんの形式がある。雇用補助金、免税、企業の国有化などがその例で4)ある。これらの諸点の特徴から、先進国の保護貿易主義は自国の産業構造調整の必要性に追われている先進国白身の対応の-パターンであることが理解出来る.この意味に於いて、保護貿易主義は現存する硬直性の現われであると同時に安易に対外的に内部の問題を押し出す政策にはこれから新しい硬直性が生まれる可能性がある。次に、保護貿易措置の対象となる産業分野は、線維、衣料品、皮革等の開発途上国にとっては工業化の最初のステップを踏む産業分野に多い。中道工業国との間には、鉄鋼、造船業等の運輸資材、家電機器、ボールベアリング、木材製晶の分野が貿易摩擦を起こしやすい分野となっている。国際分業体制-のスムーズな移行という観点からすれば、開発途上国がそれらの産業分野を受け持つ形で国際分業の一環に入るべきで、先進諸国はより付加価値の高い高次産業構造-の移行が必要である。先進諸国が、関税障壁や非関税措置、あるいは政府援助で国内の産業構造調整を遅延L注2)InterfuturersOECD編371ページ注3)同上13占江4)同上