ブックタイトルsatoh

ページ
135/1034

このページは satoh の電子ブックに掲載されている135ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

satoh

第2回佳作政赤字が続き、国家財政の硬直化を招いた。こ.インフレ期待感が台頭し、対外的には石油等第一次産品価格が高騰し、為替変動により諸物価の安定が難しくなった。このような状態の中で、インフレの進行、生産性の低下の悪循環が増幅し、景気停滞と高インフレ、高失業率の常態化を招くこととなった。これに対する先進諸国の対策としては、当初インフレの抑制が第一とされ、金融財政面の引締めを行なう一方、所得政策については政府自体の介入を極力少なくし、市場メカニズムによる調整作用を通じ,貯蓄投資の促進による生産性向上を目指す内容のものであった。しかしこうした政策については、急速な効果は望めず、一方で先進諸国間の国際分業体制-の適応力の分極化が目立つ結果となった。先進諸国相互間の産業構造に於ける相互補完性が徐々に薄れ、日本や西ドイツのように、労働生産性が比較的高く技術革新が進んだ国での国内産業構造調整は比較的順調に推移L、自由開放貿易推進を唱えやすい環境となったが、その他多くの先進諸国の動きとしては、失業率の増大が解決出来ず、産業構造調整問題で国内各勢力の調整がつかない結果、開発途上国からの安価な工業産品輸入に対し貿易摩擦が数多く生じ保護貿易主義が生じやすい土壌が形成されてきた。labor-inlen91VeinJlBtIY労働集約型産業を土台に輸出産業によって経済成長を図り、国際分業体制の枠組みの中に入ろうとする開発途上国の安価な産品に対し自国産業の保護を名目に保護貿易主義をとりやすい状況の出現となった。今後も先進諸国間で経済成長率の低迷が続く限り、先進国間同士の競争が激Lくなる一方で、開発途上国-の規制措置が強くなるであろう。多くの世界貿易関連会議で、指摘される「動態的な国際分業体制」に移行する際の急速な変化に多くの先進国がついていけないのが現状であり、自国の産業構造を世界経済の新構造に適合させることの必要性は理解出来ても短期的には、国内産業保護の大義名分のもと国内各勢力との妥協に走る可能性が強い。保護貿易主義の台頭する諸要因は経済的背景に駆らず、政治的・社会的にも先進国内部133