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概要

satoh

といった生活状況を強いられている。これは、本人の意思に係わる問題ではなく、外部状況が、彼等をこのようにさせているのである。私達は、共に生活している家族の1人が、辛く、苦しい思いをしていれば、皆で相談にのり、その解決方法を考えるであろう。私達は、家族の中に1人でも悲しい顔をしている人がいると、家族全体の雰囲気が暗くなり、皆が生活しづらくなるであろう。それを防ぐ為に,皆が力を合わせることに何^の疑問も持たないであろう。この苦しんでいる人に他の人が持つ感情は、同情でも哀れみでもなく、一緒に生活をしている人の笑顔が見たいというだけの理由で、苦しんでいる人に協力するであろう。また、自分が苦しんでいる時は、他の家族が自分のことを真剣に考えてくれるのではないだろうかoこのような関係が、住みよい、楽しい家族を作るのである。私達が、発展途上国の開発を考える理由の第-は、上記のものと同じでありたい.これまで先進国が発展途上国の開発を協力するのに多くの理由があった。自国の利益、イデオロギー的なもの、相互依存、道徳上の援助など、いろいろなものがあったが、私が述べているものは、言葉に直すと、相互依存関係、道徳上のものに含まれてしまうかもしれない。しかし、実際は、相互依存という自国の利益を考えたものでもないし、道徳的な、自分が比較的優位に立った気どりでもない。地球という同じ家に住んでいる人々が、辛い,思いをしているのを見ることが自分に許せないのである。この感情は、誰もが、発展途上国の同胞が苦しんでいる表情をみれば感じるであろう。栄養失調で腹のつき出た子供が、今にも泣き出しそうな顔をして、どうすることもできず、ただ荘然と立っている写真を見ると、自分が何もできないことに腹さえ立ってくる。このような感情は、私一人が感じるものではないであろう。だから、私は家族の中で最も困っている発展途上国の人々の経済開発戦略を真剣に彼等の身になって、第一に考えたいのである。では、いままで述べてきた頁の目的・発展途上国の人々の幸福を導く経済開発戦略とはどのようなものであろうか。発展途上国の中でも、世界の最貧層の人々と呼ばれる人々1)は、大半は農村地域に住んでいるOこのような状況を考えると、経済開発戦略をまず第-1l占注l)国際連合食糧農業機関編『世界農地改革会議』国際食塩農業協会、1980年、 7頁