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概要

satoh

第8回佳作(ニ)研究体系の構築研究体系の構築は、いかにあるべきか。研究対象は、人類の共存の基本についての要件の解明とその維持のための方策についてであるが、研究の必要性の背景は、世界の危機的状況である。背景に配慮しつつ、共存のあり方の基本要件についての検討が行なわれるべきで、国家や地域の有する個別の特性については、こだわらず捨象すべきである。政治的領域についてたとえれば、世界を通じての基本的自由のあり方、民族・宗教・文化・伝統などの各々の個性に属する部分を離れた政治の最小責任分野のあり方、紛争調整手段としての軍事力の限界などの事項が対象とされよう。経済の領域については、飢餓や貧困からの解放のための基礎的要件が、人口増加の抑制、経済の握興・雇用の創出、先進国からの緊急援助などを含めて、最低限の人間性の尊重の経済的要件の角度から幅広く論じられよう。地球環境については、環境の悪化や破壊のトータルメカニズムの解明が当面の最大課題であり、現在明らかにされていない将来起りうる危険性についても、さらに鋭い分析検討が行なわれよう。しかし、これらの領域的課題は、危機的状況の把握へのアプローチに過ぎず、領域を超え、領域を捨象しての検討が期待される。維持のための方策についても、あくまでも人類の共存の基本の立場に徹するべきである。危機的状況の本質を充分に認識し、有効な方策が緊急的実効的に講ぜられなければ、地球も人類も全面的に破滅するとの立場から、現在講ずべき施策を論議すべきことが重要である。過去の歴史的経緯や国家や地域の事情はとりあえず捨象L、方策の基本が明らかにされた段階で、方策の実施のための有効な手段方法として充分に生かすための配慮が行なわれるべきである。1017