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概要

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ついての国連大学の役割について考究することとしたL,0(-)国連大学の役割対応として三つの作業は、高度の困難を伴う。危機的状況は、全体的でありながら、現実に状況を構成し、運営しているものは、またその能力を有するものは、部分としての国家であり、その国家を構成しているそれぞれの社会的部分である。これらの部分は、もろもろの社会的個性(民族・宗教・文化・伝統等)に彩られ、社会的利害に束縛される。部分は、部分としての発想や行動にこだわらざるを得ない。今や、部分を離れ、部分を超えた発想や行動が求められている。現に、さまざまな、警世的、賢人的活動が行われ、その活動の意義や価値も高い。しかし、その活動は、どうしても個別的であって、世界又は地球からの調整的立場、統合的立場に立ちえないし、立ちにくい。調整、統合の位置づけこそ、現状ではさまざまの立場からの努力の象徴たりうることから、また、実力を発揮する権能を有することから「国際連合」に与えられるべきであり、国際連合は困難な作業に挑戦する責任を有すると思われる。国際連合は、国際間の紛争の解決に努力を重ねており、国際的調整、国際的救済の分野では、担当機関が、困難な課題と状況に直面しつつ着実に努力し、国際的研究の分野においても、将来を見すえて、各分野にわたる研究を積極的に展開している。しかし、人類の共存という基本的原理や要件に関わる研究を体系的に統合的に行なってはいない。研究機関、教育機関としての機能を有する国連大学は、この課題の緊急性、重要性に鑑み、積極的に取組むべき責任と取組むことのできる能力を有していると思われる。三つの作業のうち、人類の共存の基本のための要件の解明とそのための方策の樹立は、国連大学の責任ある分野である。研究に取組むことを決定し、研究体系の構築、研究体制の確立を急ぎ、研究の実質の進行を図ることが望まれる。101る