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概要

satoh

第8回佳作「世界の求めるもの国連大学研究の方向と役割」三木克彦要約一九九〇年前後に、世界は大きな構造変化を経験したO二十世紀の人々が、進歩であり、理想であるとして構築したもろもろの成果が音を立てて瓦解し、深い傷を負った。ソ連、東欧に見られる共産主義国家体制の崩壊、イラクに見られる民族的軍事国家の破壊的敗退、圏域経済圏間における経済格差の拡大、摩擦の激化、貧困と飢餓の深刻化、-イテクノロジーやエネルギーの多用による地球環境の総体的悪化などである。コミニズム、民族自決主義、自由貿易主義、核エネルギー、ノ、イテクノロジーなど二十世紀の星であり、旗であったものが自己管理能力を欠いて魅力を失い、新しい潮流-の適応力を欠き、その歴史的使命が終わりつつあるといえる。我々は、少しずつ姿を現しつつある新しい潮流がなんであるかを探究し、苦悩に沈む世界に新Lい共通の認識としての基本的理念を構築することが求められている.この基本的理念を確認し、世界がどのような対応策をとるかを論議することが緊急課題であり、このような展開において、国連大学の果たすべき役割は、きわめて重要である。第一章においては、世界の状況変化を政治的体制の変質、経済的状況の変化、地球の環境変化の三つの側面から分析する。第二章においては、世界の状況変化は地球に危機的状況が到来しつつあることを告げるものであり、その特質は、(-)地球及び人類の生存の基本に関わっており、対応を誤れば、地球の破壊、人類の破滅に及ぶこと。(二)この状況は、人類が自らの活動により、1003